太陽光発電というと、一昔前は作り出した電力を電力会社に売電して収入を得る売電型太陽光発電が太陽光発電の一般的なイメージとされてきましたが、最近は売電型太陽光発電だけでなく、自家消費型太陽光発電が注目されるようになってきています。自家消費型太陽光発電は文字通り、作り出した電力をすべて住宅の中で自家消費するタイプの太陽光発電です。
太陽光発電の自家消費が注目されるようになった原因のひとつに電気代の高騰があります。近年、電気代の高騰が続いているため、家計の中の光熱費の割合が高くなっていることに頭を悩ませている人も少なくないでしょう。電気代の高騰の原因は、東日本大震災以降、化石燃料を使った発電が多くなってきていること、そして化石燃料の高騰がありますが、再エネ賦課金も電気代高騰の原因のひとつといわれています。再エネ賦課金とは、電力会社が再生可能エネルギーを買い取るための資金で、そのため再生可能エネルギーが増加すればするほど再エネ賦課金も増加していきます。再生可能エネルギーは世界的にも推進されているエネルギーですから、今後も再エネ賦課金が増加することが考えられます。つまり、電気代の高騰は今後も続くと考えられているのです。
そして売電価格の下落も自家消費型太陽光発電が注目されるようになった原因のひとつでしょう。太陽光発電やバイオマスなど、再生可能エネルギーの普及に伴い、売電価格は下落しており、2009年は48円だった住宅用太陽光発電の売電価格が、2018年には出力抑制なしは26円、出力抑制あり28円と、半分近くになっています。太陽光発電は増加傾向にありますから、今後も売電価格が下落することが予測されています。つまり、売電して収入を得るという売電型太陽光発電の魅力が小さくなって、自家消費型太陽光発電で光熱費を節約する方がお得になってきているのです。
しかしながら、自家消費型太陽光発電には太陽光発電システムに加えて、電力をより効率よく利用するために蓄電池といった設備が必要になるため、導入に大きな費用がかかるのがネックです。ですが最近、自家消費型太陽光発電が注目されるのにあわせて、比較的安価な戸建て住宅用の自家消費型太陽光発電が登場してきており、導入を検討しやすくなっています。また太陽光発電システムに対する国の補助金はすでに終了しており、一部の地方自治体で補助金を利用できる限りですが、自家消費型太陽光発電については、自家消費型の発電設備の導入事業を行っている民間事業者や非営利民間団体、地方自治体の補助金を支給しています。そして補助金をうまく利用すれば、導入費用を大きく軽減することができます。補助金がある間は自家消費型太陽光発電が導入しやすいといえます。
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